1次遅れ系 + PI制御(極配置法)



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最終更新日:2017/4/1          

1次遅れ系+P制御についてはこちらで説明しましたが、P制御では定常偏差が残ってしまうため、 制御として改善の余地がある状態でした。そこで定常偏差を解消するための手段として、PI制御について説明します。


この系の閉ループ伝達関数は以下となります。伝達関数の合成の仕方はこちら



ここで、




であるため、(1)式は以下となります。




■特性方程式
(2)式の特性方程式の解をどのような値にするかによって系の安定性が変わりますので、 まずは特性方程式の解を求めたいと思いますが、2次方程式の解の公式を使うより簡単なテクニックを使います。

<参照モデル>
以下の様な伝達関数があったとします。


この特性方程式の解(極) sは以下のとおりなので、σが正の値ならば安定しており、さらにσの値が小さければ収束速度は上がります。
 

ここで、(2)式の特性方程式の解を(3)式と同じ形で表すことが出来たら、(2)式に対し安定して収束速度の速いパラメータの設定をすることが出来ます。 この様にお手本となるような伝達関数を参照モデルといいます。

それでは具体的な手法を説明します。

(2)の特性方程式は以下のとおり。


(3)の特性方程式は以下のとおり。


(4)(5)式より


また、


これで(6)(7)式を(1-1)式に代入し、σをチューニングすることで狙いのゲイン設定が可能となります。

■動作確認
Scilabモデルは以下のとおりとします。


■パラメータ設定
制御対象物の特性は予め決まっているものとし、ここでは以下とします。

 K=2
 T=1

チューニング要素のあるσを0.5と0.1としてシミュレーションします。σを小さくした方が収束性が上がるのが解ります。

<σ=0.5>


<σ=0.1>










サブチャンネルあります。⇒ 何かのお役に立てればと

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