USB通信の仕組み



通信技術

公開日:2019/9/20         

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前提知識
 ・シリアル通信
 ・差動伝送通信
 ・半二重通信、全二重通信
 ・AC-DCコンバータ


■USB通信 コネクタタイプの種類 Type-A, Type-B, Type-C

USBはUniversal Serial Bus(ユニバーサルシリアルバス)の略で、シリアル通信を行うための規格の一つとなります(バスは通信路の意)。 コネクタ形状によってUSBのタイプが分かれ、主にType-A, Type-B, Type-Cに分けられます。Type-Cからは上下左右対称コネクタとなっておりどちらの向きでも挿すことができます。

また通信手法によってUSBのバージョンが分かれ、主にUSB 1.xからUSB 3.xまで存在します。USB3からは高速通信を実現するためにコネクタの端子数が増えているのが特徴です。


■USB通信の仕組み

<Type-A>
通信の仕組みを理解するには、まずはType-Aを理解するのが良いです。各端子の機能は以下となっております。



データ転送用の端子が二つあるのは、差動伝送路といって、端子の極性を逆にすることでノイズに強くなり高速通信ができます。 下図はPCとUSBメモリを繋いだ場合の回路図です。電源を供給する側(制御側)をホストといい、電源供給される側(制御される側)をデバイスといいます。 これはPCからUSBメモリに送信する場合の図ですが、USBからPCに送信する用にもUSBメモリ側の内部回路にドライバ、PC側の内部回路にレシーバがそれぞれ存在します。一方データ通信用端子は送信と受信で共用となります。この方式を半二重通信といいます。



<Type-B>
Type-Bは携帯電話の様に、用途によってはホストになったりデバイスになったりする場合にそれを識別するための端子が追加されています。


以下は携帯電話をデバイスとして使用する場合です。端子4が開き端子であることを認識してデバイスとなります。



以下は携帯電話をホストとして使用する場合です。その場合にはOTG(On-The-Go)ケーブルという専用ケーブルが必要です。ケーブルの中は端子4と端子5が接続されており、携帯電話はそれを認識してホストに切り替わります。 なお端子が接続されているか否かを判別する方法は、プルアップ抵抗/プルダウン抵抗を用い端子の電圧レベルを検出して判別します。



以下は充電器を接続する場合です。充電器の中の端子2と3を抵抗で繋いでおくことで、携帯側はそれを認識し充電を行います。充電器には他にAC-DCアダプタが入っているだけなので、たくさんの携帯を一度に充電したい場合に、 大容量のACアダプタを別で購入し、あとは抵抗とUSB端子を自作で繋げるという人もいます。



<Type-C>
Type-Cの大きな特徴は、コネクタを上下逆にしても挿すことができる様に端子配列を点対称にしております(その代わりいくつかの端子が余計になります)。また通信速度を上げるため、Super Speed端子といって送信用と受信用の端子を分けております。 この様な方式を全二重通信といいます。またTypeBからTypeCへの変換アダプタにも対応できるように、送受信を共有して通信(半二重通信)する従来の端子(D+ , D-)もあります。従ってTypeBからTypeCに変換した場合に通信速度が上がる訳では有りません。













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