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前提知識
・シリアル通信の仕組み
・単向、半二重、全二重通信
・差動信号伝送
・シングル/マルチマスタ方式
・終端抵抗
■CAN通信とは
CANとはController Area Networkの略で、主に自動車用の通信ネットワークとして用いられるシリアル通信 の規格のことで、
ホストコンピュータなしでユニット間の通信を行うP2P(ピアツーピア)となっております。通信速度は最高1Mbps程度ですが、
CAN FD(CAN with Flexible Data rate)の様に、より高速(8Mbps)な通信方法もあります。
<CAN通信の利点>
センサの値をECU(コントロールユニット)に入力するにはセンサとECUをハードワイヤで繋ぐ必要がありますが、複数のECUが同一センサの値を必要とする場合、
CAN通信が無いとECU間をセンサ数だけのハードワイヤで繋ぐ事にあり、車両全体としてはたくさんのハードワイヤ/入出力回路が必要になり、コストが増大してしまいます。
CAN通信を用いる場合、以下の様にECU間の通信を共通のハードワイヤにすることで、大幅なコストダウンが可能となります。
<特徴>
トポロジー(ネットワーク形態)はバス型。主要ECUがメインバスで繋がっており、そこから各ECUがサブバスでぶら下がっています。主要ECUには信号の反射を防ぐために終端抵抗 が付けられます。
ただしこの主要ECUが通信プロトコル上のマスターとなっている訳ではなく、通信的にはECU間の優劣がないマルチマスター方式 となっております。
また、1つの回線で送信と受信を交互に行う半二重通信 、耐ノイズ性向上のため差動信号伝送 となっております。
CANの信号線が2本あるのは送信と受信のためではなく、差動信号伝送のためです。送受信は一本の線で行ってます。
■LIN通信とは
LINはLocal Interconnect Networkの略で、CANと同様、主に自動車用の通信ネットワークとして用いられるシリアル通信の規格です。CAN通信に比べ通信速度は落ちるが安価で実現できるのが特徴。
複数のセンサを共通のハードワイヤで一つのECUへ入力する事でコスト削減が可能です。CANはECU間の通信、LINはECUとセンサ間の通信に用います。
その他の特徴は
・ ユニットがマスターとなってセンサに送信指令を出すシングルマスター方式
・ 1つの回線で送信と受信を交互に行う半二重通信
・ 1本の線で通信するシングルエンド伝送 (対する方式は差動通信伝送)
・ 通信速度は20kbpsとCAN通信(1Mbps)に比べ遅い
■CAN通信とLIN通信の違いまとめ
CANとLIN通信の構成例は以下。
通信方式の比較は以下。
サブチャンネルあります。⇒ 何かのお役に立てればと