差動信号伝送の仕組み



通信技術

公開日:2019/9/23         

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前提知識
 ・シリアル通信の仕組み
 ・単向、半二重、全二重通信
 ・コンパレータ
 ・Hブリッジ回路


■差動信号伝送とは

差動信号伝送とは、シリアル通信であっても信号線を2つ使用することで耐ノイズ性を高くすることができる通信方法で、結果的に高速通信が可能となります。 単向通信、半二重通信、全二重通信と共存可能な方式で、たとえ単向通信であっても信号線を2つ使う方式です。 下記は回路図と信号の振る舞いを示しておりますが、出力のPはPositiveでHI出力、NはNegativeでLOW出力となります。



この方式がノイズに強い理由は二つあり、一つは伝送路にノイズが乗った場合P側とN側どちらにも同じようにノイズが乗り、差分としては変わらない状態となります。



もう一つの理由は、伝送路の行きと戻りの電流は逆方向になっており、その場合磁界は打ち消されノイズが発生しにくくなります。またケーブルは、磁界を打ち消しやすくするためケーブルをねじった形にしたツイストペアケーブルなどが用いられます。



■差動信号伝送の動作原理

レシーバはコンパレータ、ドライバはHブリッジ回路に近い形となります。 AとDをONした時の電流の流れを示します。この時PとN間の電圧レベルはPがHI、NがLOWとなります。



次にBとCをONにした時の電流の流れは以下。この時PN間の電圧レベルはPがLOW、NがHIとなります。この様に連続的にスイッチ(トランジスタで実現)を切り替えることでPN間の電圧レベルを切り替えていきます。 コンパレータの動作原理はここでは割愛します。



以上が差動信号伝送の仕組みとなります。なお差動信号伝送に対して、2本の線を用いず1本の線で通信する方式をシングルエンド信号伝送といいます。









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