現代制御 1次システムの状態フィードバック制御(レギュレータ問題)



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最終更新日:2017/9/3          

前提知識
 ・1次システムの状態方程式


状態方程式/出力方程式の一般形はこちらで説明したとおりですが、このシステムを狙いの状態に制御するために、 状態フィードバック制御という考え方を用います。ここで扱うのはレギュレータ問題と言い、平衡状態を保っていたシステムに外乱などが加わり 何らかの理由で平衡状態からずれたものを、元の平衡状態に戻すのを目的とします。一方、システムの制御量を目標値に追従させるのをサーボ問題といいこちらで説明いたします。

■レギュレータ問題例
こちらで説明した電気回路における、電流i(t)を状態フィードバック制御した場合の、フィードバックゲイン(k)の設定方法を説明します。


■状態フィードバック制御
状態フィードバック制御は以下の様に表現することが出来ます。





ここで(1)に(2)を代入すると以下となり、フィードバック制御含めた状態方程式が表されます。


■可制御性の判定
フィードバックゲインを設定するための前提として、そもそもこのシステムが制御可能か否か(可制御性)を判断する必要があります。 その判別方法はこちらで説明します。結論としてはこのシステムは可制御性があります。

■フィードバックゲインの設定法(極配置法)
こちらで説明した様に、そのシステムが安定かどうかを判別する為には、特性方程式の根が全て負でなくてはなりません。 極配置法の考え方は、制御対象物が不安定なシステムだったとしても、コントローラを繋げることによって、安定性の高い、 収束性の高いシステムにするというものです。



それでは実際にゲインを求めてみます。まず、上記フィードバックシステムの伝達関数は以下となります。 伝達関数の求め方はこちらで説明。



ここでA,B,Cはそれぞれ何だったかというと、以下でした。詳細はこちらで説明。



ここでRとLに適当に値を設定し、R=1 , L=0.1とします。

以上より(3)の特性方程式は以下となります。



ここで上記システムを安定させるために、上記特性方程式の根(極)を負値になる様にフィードバックゲインkの値を設定すれば良く、 どのような負値にすればよいかは自分で決める必要があります。

従って、ここでは極を-2とするようなkを決定します。



となり、フィードバックゲインを求めることが出来ました。

■ブロック図/Scilab設計
以上の結果をブロック図で表現すると以下となります。



Scilabで設計すると以下となります。またレギュレータ問題のため、ここでは入力は0、外乱としてi(t)の初期値を1とします。



■シミュレーション結果
黒がフィードバック有り、緑がフィードバック無しとなります。フィードバックがあった方が収束性が早くなっています。










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