ベイジアンネットワークとは



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公開日:2018/2/20          

前提知識
 ・ベイズの定理


■ベイジアンネットワークとは

ベイジアンネットワーク(Bayesian network)とは、条件付き確率の計算を容易にするために、事象の発生確率の連鎖※を可視化したものです。 ビリーフ(Belief)ネットワークとも呼ばれます。

※ 「風が吹けば桶屋が儲かる」が事象の発生する連鎖の例として挙げられます。

■ベイジアンネットワーク図

以下にネットワーク図を示します。一つ一つの〇はノードといい、中の文字は確率変数となります。確率変数は0か1が与えられ、 1ならばその確率変数が発生する事を意味します。

また、原因になるノードを親ノード、結果になるノードを子ノードとなります。ノード伝搬の過程において、 将来の状態は現在の状態にのみ依存し、過去の状態には依存しないことをマルコフ過程(Markov process)といいます。またマルコフ過程の中で取りうる状態が有限なものをマルコフ連鎖(Markov chain)といいます。  

■ベイジアンネットワークを用いた確率計算の例題①

ベイジアンネットワークの解説に用いられる有名な問題です。

振動で作動する警報機(Alarm)がある。警報機は泥棒(Burglar)の侵入でも作動するが地震(Earthquake)でも作動する場合がある。 また警報機が作動すると、隣の家の太郎(T)か花子(H)が警察に通報する事になっているが、太郎はいつも音楽を鳴らしているので警報音を聞き漏らしてしまう事が多く、 花子は目覚まし時計のベルの音も警報音と勘違いし警察に通報してしまう。この時、泥棒が侵入して警報機が作動し太郎が警察に通報する確率を求めよ。 ただし地震は同時に起こっていないとする。それぞれの確率は以下のとおり。
 

<回答>
これはベイズの定理を使う例題ではなく、通常の確率計算になります。

 ・地震が起こらない確率         :P(E=0)=0.9
 ・泥棒が入る確率            :P(B=1)=0.05
 ・泥棒が入って警報機がなる確率     :P(A=1|B=1,E=0)=0.9
 ・警報機がなって太郎が警察に通報する確率:P(T=1|A=1)=0.6

より、以下となります。

P(E=0)P(B=1)P(A=1|B=1,E=0)P(T=1|A=1) = 0.9 * 0.05 * 0.9 * 0.6 = 0.0243 = 2.43%

■ベイジアンネットワークを用いた確率計算の例題②

上記において、太郎が警察に通報したとき、実際に泥棒が入っている確率を求めよ。

<回答>
ベイズの定理を使います。式は以下のとおり。


① 泥棒が入る確率:P(B)
以下表より、P(B)=0.05


② 太郎が警察に通報する確率:P(T)
以下表を使います。


P(T)は以下式で表すことが出来ます。

P(T)=P(T|A)*P(A=0) + P(T|A)*P(A=1) ・・・(2)

従って、P(A=1)とP(A=0)をそれぞれ求める必要があります。そのために以下表を使います。


P(A=1) = P(A=1|B=0,E=0)*P(B=0)*P(E=0) + P(A=1|B=0,E=1)*P(B=0)*P(E=1) +
     P(A=1|B=1,E=0)*P(B=1)*P(E=0) + P(A=1|B=1,E=1)*P(B=1)*P(E=1)

    = (0.08 * 0.95 * 0.9) + (0.3 * 0.95 * 0.1) + (0.9 * 0.05 * 0.9) + (0.95 * 0.05 * 0.1)

    = 0.14215

P(A=0) = 1 - P(A=1) = 0.85785

上記を(2)に代入すると、

P(T) = (0.1 * 0.85785) + (0.6 * 0.14215) = 0.1711

③ 泥棒が入った時に太郎が通報する確率:P(T|B)
以下表を使います。


ここで気を付けるのは以下点です。
 ・泥棒が入ったという前提なので、B=1のみを考える。
 ・泥棒が入って警報機が鳴らなくても、太郎が通報してしまう確率を考慮する。

P(T|B) = (P(E=0) * P(A=1|B=1,E=0) + P(E=1) * P(A=1|B=1,E=1)) * P(T=1|A=1) +
     (P(E=0) * P(A=0|B=1,E=0) + P(E=1) * P(A=0|B=1,E=1)) * P(T=1,A=0)

    = (0.9 * 0.9 + 0.1 * 0.95) * 0.6 + (0.9 * 0.1 + 0.1 * 0.05) * 0.1 = 0.5525


これで(1)式を計算する全ての情報がそろいました。①②③より、

P(B|T) = 0.5525 * 0.05 / 0.1711 = 0.1615 = 16.15%

となります。警報機が鳴っても実際に泥棒が入っている確率は、意外に小さいことが分かりました。









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