自動車用バッテリーの容量とサイズ WhとAhの違い



自動車工学

プラントモデル

公開日:2020/10/15 , 最終更新日:2021/2/17        

■Wh(ワットアワー)とAh(アンペアアワー)の違い

バッテリー容量の単位にはWhとAhが使われます。定義は以下。

<Wh>
1Whの定義は、1ワットの電力を1時間消費し続けた時の消費電力量です。

<Ah>
1Ahの定義は、1アンペアの電流を1時間流し続けた時の消費電流量です。1Wは電圧x電流なので、AhをWhに変換する場合は、Ahにその時かかっている電圧をかければ良いです。


■鉛バッテリーのサイズと容量

鉛バッテリーの仕様は"55D23L"などの様に表します。その意味は以下のとおり。


バッテリー容量の定義は測定条件が決まっており、"5時間率容量"といって、満充電から5時間で10.5Vまで低下した時点の、トータルの消費電流量とします。 従って、例えば48Ahのバッテリーは、9.6Aの電流を5時間流し続けることができる、ということになります。なお鉛バッテリーは大電流を流すと実際に取り出せる電流の量は低下します。 例えば倍の20A以上の電流を流し続けた場合、5時間の半分の2.5時間よりもっと短い時間しか電流を流し続ける事ができません。

AhをWhに変換する場合は、バッテリー電圧である12Vを掛ければ良いので、48Ahの場合は576Whとなります。(実際には電圧は低下していくので、576Whより小さくなります)

<アイドルストップ用バッテリーの表記>
アイドルストップ用のバッテリーは専用バッテリーとなっており、表記も以下の様に異なります。


■リチウムイオンバッテリーの容量

リチウムイオンバッテリーは電気自動車等に搭載されており、モーター駆動に必須のバッテリーです。日本や欧州で販売されている電気自動車に搭載されているバッテリーの容量は約50kWh前後です。 こちらはAhではなくWhで表現する事が多いです。先述したとおり鉛バッテリーの容量は1kWhにも満たないので、リチウムイオンバッテリーの容量がいかに大きいか解ります。 一方、ハイブリッドや、エンジンを発電機として用いるレンジエクステンダー用に使用されるバッテリーは、電気自動車よりもはるかに小型の、1~2kWh程度のバッテリーが用いられることがあります。 それでも鉛バッテリーよりは容量は大きいですが。

ちなみに、スマートフォンに搭載されているリチウムイオンバッテリーの容量は2~4000mAh(2~4Ah)なので、流石に鉛バッテリーの方が容量は大きいです。

■キャパシタ (コンデンサ)の容量

電気を貯めるものにはバッテリーの他にもキャパシタ(コンデンサと同じ)があります。 マツダのmazda6などには、i-ELOOPといって鉛バッテリーに加えキャパシタを搭載しており、減速時に発電したエネルギーをキャパシタ(電気二重層コンデンサ)に蓄えます。その容量は6.94Whとなります。

■まとめ
以下に容量の比較のまとめを記します。容量の大きさのイメージとして、1500Wのドライヤーを1時間使用し続けたら1.5kWh、一般家庭の1ヶ月の使用電力量の平均値は約400kWhです。 ハイブリッド車などはそこまで容量が無いことが解ります。











サブチャンネルあります。⇒ 何かのお役に立てればと

関連記事一覧



自動車工学

プラントモデル