ボルタ電池 ダニエル電池の仕組み



化学

公開日:2020/12/30         

前提知識
 ・金属のイオン化傾向


■ボルタ電池
ボルタ電池は以下の構成になっており、硫化水素(H2SO4)の電解液に、負極に亜鉛(Zn)、正極に銅(Cu)の電極が浸っております。



原理は次の様になります。まず、①ZnはCuに比べてイオン化傾向が高いのでZ2+イオンとなって水溶液に溶け出します。②その際に余った電子は、回路を通って正極に移動します。これが電流が発生したという事になります。 ③正極に到達した電子は水溶液中のHと結合してH2となり大気中に放出されます。



<起電力>
起電力の求め方は、ZnとCuの標準電極電池から求める事ができます。こちらの値を用いると、Znは-0.76V、Cuは0.34Vなので両者の差分の1.1Vが起電力となります。

<欠点>
基本的な原理は上記のとおりですが、次第にHがCuの表面に付着していくので、新たな電子がHと結合できなくなり電流が流れなくなっていきます。これを分極(polarization)といいます。

■ダニエル電池
ボルタ電池の欠点である分極が発生しない構造になっているのがダニエル電池です。負極はZn、正極はCuのままですが、使用している溶液が異なります。 Znから放出された電子は正極で水溶液中のCuイオンと結合します。Cuは正極の素材なので新たにCuが付着しても問題ないという訳です。



なお、ダニエル電池の起電力はボルタ電池と等しく、1.1Vです。









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