分極, 過電圧とは, OCVとCCVの違い



化学

公開日:2021/1/9         

In English
前提知識
標準電極電位
活性化エネルギー


分極は扱う分野によって意味が異なりますが、ここではバッテリーの分極について説明します。

■分極, 過電圧とは

分極とは、バッテリーの本来の起電力(標準電極電位)を低下させる現象のことです。 電流が流れていないときの電圧をOCV(Open Circuit Voltage)、電流が流れている時の電圧をCCV(Closed circuit voltage)といいます。 過電圧とは、電流が流れるときの電位と標準電極電位との電位差であるため、OCVとCCVの電位差となります。 バッテリーは以下の様な等価回路で表現する事ができます。



■分極の要因

① 抵抗分極
電解質や電極の電気抵抗に起因する分極。

② 活性化分極
電極反応が発生する際の活性化エネルギーに費やした事に起因する分極。

③ 濃度分極
電極反応の進行に従い電極表面の反応物の濃度が減少することによって生じる分極。急激に充放電を行った際に生じやすい。暫く放置したら濃度が均一になって解消する。

■CCVの求め方

OCVはバッテリーの起電力に依存しますが、CCVは流れる電流値と内部抵抗値によっても決まり、以下式で表すことができます。



上式を見ると、CCVは電流値によって決まりますが、一方回路に流れる電流値はCCVによって決まるので、計算がループします。 外部負荷抵抗が分かれば内部抵抗との分圧からCCVを求めることができますが、外部負荷抵抗が分からない場合があるので、 電流とCCVの関係を繰り返し計算し収束点を求めることで、CCVを算出する必要があります。











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