質量とエネルギーの等価性とは



力学・物理学

公開日:2024/3/9          

前提知識
光の性質
核反応
質量


■質量とエネルギーの等価性とは

質量とエネルギーの等価性とは、アルベルト・アインシュタインが提唱した理論で、エネルギーは質量に比例し以下式で表すことができます。このとき光速の二乗が比例係数となります。



■核反応は質量をエネルギーに変えている

核分裂や核融合が莫大なエネルギーを得る事ができるのは、反応時に質量をエネルギーに変えているからです。 以下の様な核融合では、重水素と三重水素を衝突させ、ヘリウムと中性子とエネルギーを生じさせますが、反応前の重水素と三重水素の質量の合計に比べ、ヘリウムと中性子の質量の合計の方が軽くなります。 これを質量欠損といい、軽くなった分の質量がエネルギーに変わっております。



■質量欠損の原因は結合エネルギー

反応前後で質量数(陽子と中性子の数)は変わりません。にもかかわらず質量が変わる理由は、陽子と中性子間の結合エネルギー(核力)が変化しているからです。 結合状態が強い(結合エネルギーが強い)ほど状態としては安定しているため、エネルギーが低くなっています。上記の例ではヘリウムの方が結合エネルギーが強く安定している分、質量は軽くて済むため、エネルギーの余剰分が外に放出されます。

■1gの質量のエネルギー

(1)式に従うと、1gの質量は90兆ジュールのエネルギーを持っていることになります。しかし核反応においては、物質が消滅し全てがエネルギーになる訳ではありません。 (なお素粒子とその反粒子の対が合体して対消滅する場合は、その質量分がそのままエネルギーとして放出されます)

合計1gの重水素と三重水素の核反応によって得られるエネルギーは以下のとおり。











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