電波で情報を伝達する仕組み



通信技術

公開日:2023/12/6        

前提知識
電波の種類


■電波による情報伝達の仕組み

電波で情報を伝達する為の最も簡単な仕組みは、以下の様に電波が届いている時は"1"、届いていない時は"0"というルールを取り決め電波を送れば、情報伝達が可能になります。この方法をOOK(On Off Keying)といいます。



しかしこのやり方では、いつまでも0が続いた時にそれが故障なのか本当に0を送り続けているか判断がつかず、また1の信号が何かしらの原因で届かなかった時に誤って0と判断してしまう為、情報の精度が悪く実用的ではありません。

その欠点を克服したのが位相変調:PSK(Phase Shift Keying)といって、位相を変化させて電波を送ります。こうする事で0以外の数値も定義する事ができ、効率良く送ることができます。



■周波数と情報伝達量の関係

情報伝達を目的とした電波の利用においては、周波数が高い程(波長が短い程)単位時間あたりに送る波の数が多くなるのでたくさんの情報を伝達できますが、波長が短いほど減衰しやすく、障害物に反射しやすくなるため遠くまで伝播しにくくなります。 逆に波長が長いと障害物を超えて遠くまで伝播させる事ができるので、情報量より距離を優先したい船舶無線などは長波長が用いられます。 またAMラジオとFMラジオを比較すると、AMの音質がFMに比べて悪い理由は、AMの方が周波数が低いからです。

携帯電話においても、世代が進むごとに大容量の通信を実現するために、高周波の周波数帯が選ばれていきます。しかし高周波数になると遠くまで伝播するのが難しいため、より多くの基地局をつくる必要がある等、コストがかかっていきます。 そこでプラチナバンドといって周波数を低くして容量より繋がることを重視した周波数帯を設けています。

<光ファイバと5Gどちらが早いのか>
最近は5Gの登場により更なる大容量の通信が可能となると言われており、光ファイバ通信より早くなるのか?という疑問を持つ人もいるかと思いますが、 5Gの周波数が最大28GHzに対して光ファイバの周波数は200THzとなり、光ファイバの方が圧倒的に大容量の通信ができるポテンシャルを持っています。 しかし現在はノイズの問題やコストに見合わない等の理由により、そこまでの実力は出せていないのが実情です。またマンション等で一つの回線をみんなで共有している場合は更に遅くなります。

ただし光ファイバの通信サービスも年次を追うごとに高速化されていますので、実使用上においても光ファイバの方が早いです。また有線の光ファイバは、無線とは違い電波の減衰や反射による影響を受けにくく、安定した通信速度を得る事ができるというメリットもあるので、この先も有線が無線に置き換わることはないでしょう。











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