∇(ナブラ)の意味, grad, div, rotの計算



数学

公開日:2023/12/14        

前提知識
 ・偏微分
 ・ベクトルの内積
 ・ベクトルの外積


■∇(ナブラ)の意味

∇はナブラと読み、以下の様な偏微分の演算子です。なおロマサガに出てくる必殺技"高速ナブラ"はこのナブラからきています。



この演算子を使って次の様な計算を行います。

■grad:勾配

gradはgradient(勾配)の略で以下のように定義します。fはスカラー量となり、これを微分することで関数の傾きを求めることができます。



計算具体例は以下のとおり。



■div:発散

divはdivergence(発散)の略で、以下のように表します。gradがスカラー量の微分に対して、divはベクトル量の微分となり、ベクトルの内積の計算になります。



計算具体例は以下のとおり。



<divのイメージ>
divをイメージするには水流をイメージすると良いです。divは微小空間からのベクトル(水流)の入出量の和となります。値がプラスの時は微小空間からの湧き出しが、値がマイナスの時は微小空間への吸い込みが発生しています。



■rot:回転

rotはrotation(回転)の略で、以下のように表します。divは内積の計算に対して、rotはベクトルの外積の計算になります。



計算具体例は以下のとおり。



<rotのイメージ>
rotも水流をイメージするのが良いです。先ずは以下の様にy-z平面上の点aが水流によって回転する場合を考えます (反時計回りを正回転と定義)。 z軸方向、y軸方向の水流の強さによって回転方向が決まります。



ここで、y-z平面上の回転の動きが、x軸方向に力を発生させる事に注意します。これは右ねじの法則を表現しています。



上記と同様の考えでy軸方向、z軸方向のベクトル成分を求めることができます。









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