素数とは, メルセンヌ素数, グロタンディーク素数



数学

公開日:2024/1/28         

前提知識


■素数とは

素数とは、2以上の自然数の中で、1と自分自身でしか割り切れない数のことです。100以下の素数は全部で25個あり、以下のとおりです。

2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53, 59, 61, 67, 71, 73, 79, 83, 89, 97

<グロタンディーク素数>

上記100以下の素数には含まれてませんが、「57」はグロタンディーク素数と呼ばれます。実際これは3で割り切れるので素数の定義には当てはまりませんが、 ドイツ出身のユダヤ系フランス人の数学者 アレクサンドル・グロタンディーク(1928-2014)が、数学の講義中に素数の例として57をあげてしまったため、この様に呼びます。

<フィボナッチ素数>

フィボナッチ素数とは、フィボナッチ数列に表れる素数のことです。

■素数を求める数式

n番目の素数を求める公式はまだ発見されていません。過去には以下の数式が提案されましたが、いずれも成立には至っておりません。

<フェルマーの数式>

フランスの数学者ピエール・ド・フェルマー(1607-1665)は以下の数式で表現できる数は素数であると考えましたが、n=5以降は成立しなくなります。


<オイラーの数式>

スイスの数学者 レオンハルト・オイラー(1707-1783)は以下の数式を考えました。n=40までは素数になりますが、n=41以降は成立しなくなります。



<メルセンヌの数式>

フランスの数学者 マラン・メルセンヌ(1588-1648)は以下の数式を考えました。この数式で表される整数のことをメルセンヌ数、その中でも素数になる数のことをメルセンス素数と呼ばれます。 この数式は素数だけを表現できる数式ではありませんが、最大の素数を見つけるために現在も使用されている数式です。



2023年現在の最大の素数は282589933-1で、2486万2048桁です。

■素数定理

素数定理とはドイツの数学者カール・フリードリヒ・ガウス(1777-1855)が提唱した数式で、自然数x以下の素数の個数は以下の関係で表されるというものです。 この数式を用いれば、素数の分布がどのようになっているかおおよそ解ることができます。ただしxが小さい時は誤差が大きく、xが十分大きくなるに従い誤差は小さくなっていきます。



■素数の用途

例を挙げると、
 ・ RSA暗号という暗号化技術に用いられます。
 ・ メルセンヌ・ツイスターという疑似乱数生成技術に用いられます。









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